法人設立にホームページは必須ではないが、とても重要。
法人を設立した場合、ホームページも立ち上げたほうがいいのでしょうか。
起業する時点では、会社設立の手続きや銀行口座の開設、オフィス物件の契約などやることは多くあります。
そのためホームページの開設を優先すべきかどうか、悩まれる方も少なくないでしょう。
この記事では、ホームページが起業で必要な場面と、その役割について詳しく解説しています。ぜひ参考になさってください。
目次
現代のホームページの役割
現代のホームページの役割は、インターネット上で個人や企業が情報を発信し、自己表現やコミュニケーションを図ることにあります。
企業のホームページは、商品やサービスの紹介、会社情報の提供やイベントの告知など、情報を掲載する場として機能します。
ここでは次の3つのポイントについて詳しく解説します。
- 信頼性の向上に繋がる
- 現代ではオンラインでのマーケティングが主流
- 業界によっては重要度は高くない
信頼性の向上に繋がる
ホームページを開設することにより、企業の信頼性の向上に繋がります。
インターネットで社名の信用度を調査したり、サービス内容について確認することは一般的です。
ホームぺージと言っても企業のコーポレートサイト、サービスサイトや販促用のLP(ランディングページ)など様々な種類と用途があります。
ホームページがあれば、その企業の詳細や実績を確認できるので、信頼度が上がることになります。
現代ではオンラインでのマーケティングが主流
現代ではオンラインでのマーケティングが主流となっています。
一般的にはWEBマーケティングと呼ばれますが、WEBサイト(ホームページ)を中心に行うプロモーション活動を指します。
ホームページを中心にしたマーケティングなので、ホームページ単体での集客に加え、SNSを活用してホームページへ集客を行うのもWEBマーケティングになります。
ホームページがなければこうした施策はできないことになります。
業界によっては重要度は高くない場合がある
これまで重要度について解説してきましたが、ホームページの開設は業界によっては重要度は高くない場合もあります。
例えば新規に飲食店を開業してホームページを開設したとしても、検索の上位に上がるのは食べログやRettyなどの、グルメ系の情報ポータルやWebメディアになるはずです。
こうした状況でホームページで集客を図るのは難しく、InstagramなどのSNSの方が集客力が生まれる可能性があります。
不動産業界や人材業界なども、事業初期の段階でホームページで成果を出すのは困難と考えられます。
法人口座の開設時にホームページ(コーポレートサイト)が必要?
法人として事業を始めるに当たって、法人口座の開設は不可欠です。
法人が開設する際には事前に法人登記していることが必須となります。
法人口座の開設に臨むにあたって、法人口座の開設時にホームページ(コーポレートサイト)は必要なのでしょうか。
少し詳しく見ていきましょう。
法人口座の開設でホームページは用意すべき
法人口座の開設ではホームページを用意したほうが口座開設の審査に通りやすいと言えます。
審査の詳細について銀行は明らかにしていませんが、一般に審査対象とされている項目は次の通りです。
- 代表者の経歴
- 法人の資本金
- 会社の所在地
- 事業内容
- 情報開示されているか
上記は事項で紹介する「ホームページに記載すべき項目」と一致しています。
そのため、ホームページを用意したほうが銀行の審査を受ける上で有利と言えます。
法人口座の審査で確認されるホームページの項目
法人口座の審査で確認されるホームページの項目は、法人の資本金と情報開示されているかの2つです。
法人の資本金とは十分な資産があるかどうかを指します。
ホームページは賃借対照表の「資産」に分類されるので、法人として資産を1つ持っているとみなされるわけです。
2つ目の情報開示ですが、事業内容や会社概要、求人情報や問い合わせ窓口などが明示されているかどうかを審査されます。
ホームページには会社の実態や活動の内容をしっかり記載することで、審査がスムーズに運ぶわけです。
新規事業者のホームページとの向き合い方
起業する時点では、会社設立の手続きや銀行口座の開設、オフィス物件の契約などやることは多くあります。
売上や利益が十分に見込めているケースは少ないのが普通です。
そのため、新規事業者のホームページとの向き合い方は、次の3つのステップを踏むといいでしょう。
- まずは小規模にホームページを制作
- マーケティング手法を確立する
- ホームページを改善し、売上アップを狙う
それぞれ解説します。
まずは小規模にホームページを制作
起業時は何かと忙しいものです。資金繰りも潤沢とはいえないでしょう。
いきなりベストなものを高額の費用で制作する必要はありません。
まずは小規模に制作することを心掛けるべきと言えます。
口座開設やインターネット上の名刺としての用途で、まずは用意することが大切です。
マーケティング手法を確立する
起業からしばらく経って落ち着いてきたら、マーケティング手法を確立する時期です。
サービスの集客とホームページの相性が良いのかが重要になります。
現代では、インターネットやSNSで情報やサービスを知りそこからWEBに飛んで申し込みや購入などを行う流れが多くあります。
SNS単体で集客をするのか、ホームページとSNSを絡めるのか、ホームページ単体のSEOで集客するのかなど、集客におけるホームページの形も様々です。
まずは方針を決めることでホームページ改善の解像度が上がります。
ホームページを改善し、売上アップを狙う
会社の実績が上がるようになると、ホームページに掲載する情報も増えていくものです。
会社が成長期に入ったら、ホームページを改善して売上アップに繋げましょう。
小規模なホームページから集客を目的としたデザイン性に優れ、使い勝手の良いホームページにします。
ホームぺージ改善の方向性にもよりますが、集客を考える場合は問い合わせが入る様に伝わりやすく、印象的なデザインにすることなどが挙げられます。
他にもホームぺージでの集客方法は多岐にわたりますので、次項で紹介していきます。
ホームページでの集客の種類
ホームページでの集客は様々な種類がありますが、ここでは次の3つについて詳しく解説しましょう。
- 広告運用でホームページから問い合わせをもらう
- SEOからの問い合わせ
- SNSアカウントなどからの流入
広告運用でホームページから問い合わせをもらう
有料広告を運用することで、ホームページから問い合わせをもらえるように図ります。
WEB集客における広告には、次のようなものが挙げられます。
- リスティング広告(Paid Search)
- ディスプレイ広告(アドネットワーク広告)
- 純広告
- ネイティブ広告(記事広告)
- ソーシャルメディア広告(SNS広告)
- メルマガ広告
- インフルエンサーマーケティング
- アフィリエイト広告
- 動画広告
多岐に渡りますので、すべてを実施する必要はありませんが、自社の商品やサービスに合った広告を組み合わせて運用していくと良いでしょう。
SEOからの問い合わせ
SEOとは特定のキーワードで検索した際に、自社のホームページが検索エンジンの検索上位に表示されるように、最適化するプロセスを指します。
ターゲットのニーズに合わせたキーワード調査や高品質なコンテンツの掲載、内部対策や外部対策などを行い、検索上位を目指すわけですが、WEB集客の中では即効性があるものではありません。
腰を据え長期的に取り組む必要があります。
SNSアカウントなどからの流入
ICT総研が2022年に行った、「2022年度SNS利用動向に関する調査」によると、主なSNSの利用率は次の通りです。
“引用元” : 2022年度SNS利用動向に関する調査|ICT総研
- 2020:80.2%
- 2021:80.9%
- 2022:82.0%
- 2023:82.7%
- 2024:83.2%
“引用元” : 2022年度SNS利用動向に関する調査|ICT総研
- LINE:79.5%
- YouTube:62.0%
- Twitter:55.9%
- Instagram:52.9%
- Facebook:24.6%
- TikTok:19.7%
LINEは80%近くの利用率なので、日本人のほとんどが利用しているSNSということになります。
Youtubeでの継続した動画投稿は大変ですが、X(旧Twitter)や、Instagramに関しては簡易的に解説し投稿することができます。
まずはこの2つを初めてアカウントを育てるべきと言えます。
SNSでフォロワーを増やすのは容易ではありませんが、うまく育てれば集客の幅を広げられます。
ホームページを簡易的に作る場合の注意点
ホームページを簡易的に作る場合には、いくつか注意すべきポイントがあります。
次の3点については特に留意してください。
- 「低コスト」の危険性
- 「運用性」が悪いホームページ
- 将来的に改善する際の「拡張性」を考慮する
それぞれ詳しく解説します。
「低コスト」の危険性
ホームページの制作を外注する際には、低コストばかり優先すると、出来栄えに影響を与えます。
制作会社よりも安価だからと、フリーランスへ依頼をしてもホームページは制作できます。
しかし依頼相手によって、スキルや対応に個人差があるため、結果的に後悔するホームぺージ制作になる場合もあります。
ただ見極めるといっても、ホームページ制作のスキルがない場合は、どこをチェックすればいいのかわからないことになるでしょう。
ある程度費用をかけ、制作会社に依頼するほうが無難です。
「運用性」が悪いホームページ
ホームページは制作した後の運用が大事になります。
更新しないまま放置したり、お問い合わせ対応のフローが決まっていないといった、運用性が悪いホームページでは、かえってマイナスになるでしょう。
ドメインやサーバーの期限切れで、閲覧ができなくなるケースもゼロではありません。
せっかく作成したホームページなのですから、しっかりした管理と運用が大切です。
将来的に改善する際の「拡張性」を考慮する
スタートは小規模でシンプルなホームページで十分ですが、事業が安定して業績が上がるようになれば、実績なども掲載する必要が出てきます。
そのため、ホームページを簡易的に作る場合でも将来的に改善する際の拡張性を考慮しておきましょう。
もし拡張性を考慮せずに作成してしまうと、一から作り直すことになります。
まとめ
ホームページが起業で必要な場面と、その役割について詳しく解説してきました。
ホームページの重要性について、ご理解が深まったことと存じます。
起業の際には、会社設立の手続きや銀行口座の開設、オフィス物件の契約などやることは多くあります。
日々業務に追われ時間がとれないケースもありますが、ホームページ制作も重要なポイントとなることを忘れないでください。