学生起業とは? やり方から成功例までを徹底解説!

学生起業とは? やり方から成功例までを徹底解説!
★結論

起業の概念は学生でも同じ。学生ならではのコミュニティを活かして活動できる。

学生が自分でビジネスを始めることを指しているのは、高校生や大学生が学業を続けながら事業を立ち上げることです。
近年、若手経営者が注目を浴びたり成功を収めたりしている中で、学生起業を考える人も増えています。
 
本記事では、学生起業についての意味や最新の状況、長所や短所に加えて成功するためのポイントについて詳しく説明します。

学生起業の意味と現状

学生がビジネスを考えるイメージ

ここでは学生起業の意味と現状について紹介していきます。

学生起業の意味

学生が起業することは、大学生が自らビジネスを開始することを指します。
一般的には、ベンチャー企業を設立することが一般的であり、大学などで独自のアイデアや研究、開発などを基にビジネスを興しているケースがよく見られます。
 
近年では、コストが比較的低いため、IT関連のビジネスを始めることが特に人気です。

学生起業の現状

2023年度の経済産業省の調査によると、大学が起ち上げたベンチャー企業の数は4,288社で、前年に比べて506社増加しました。
 
この数字は過去最高であり、特に過去9年間で一貫して増加しており、学生起業の数は年々増加しているといえます。
 
令和5年度大学発ベンチャー実態等調査の結果を取りまとめました(速報) (METI/経済産業省)

“引用元” : 令和5年度大学発ベンチャー実態等調査の結果を取りまとめました(速報) (METI/経済産業省)

起業の基本的な概念は同じ

「学生起業」において、基本的に重要となる概念は一般的な起業と同じになります。
学生として始める以前に、起業とは何を意味し、どのように始めるべきなのかを解説していきます。

起業するには何から始める? アイデアは必要? 起業の本質についても徹底解説

起業するには何から始める? アイデアは必要? 起業の本質についても徹底解説

起業をすることは難しいことではありません。ただし、起業をするまでに必要なことが沢山あるため、即座に起業ができるわけではありません。

起業のやり方と注意点

起業のイメージ

起業のやり方と注意点は以下のとおりです。

利益の出るビジネスモデルを考える

起業の根本にあるのは、「自分のアイデアや構想を世の中に提供する」ということです。
そのため、利益の出るビジネスモデルを考える際は、次の点に着目し、どこで「利益」を確保するかを考えておきましょう。
 
まず、顧客のニーズや痛みを解決する価値を明確にすることが重要です。
顧客が抱える課題や問題を理解し、それを解決するサービスや商品を提供することで、顧客からの支持を得ることができます。
 
次に、市場の規模や競合状況を分析し、自分の強みや差別化できる要素を見つけることが必要です。
競合他社との差別化ポイントや独自の価値提案を持つことで、市場での存在感を高めることができます。
 
さらに、収益源やコスト構造を把握し、収支のバランスを取ることも重要です。
事業を持続可能なものとするためには、収益を上げる方法とコストを削減する方法を見極め、バランスを保つことが不可欠です。

自己資金を準備する

起業するには、充分な資金が必要です。
最初に、自己資金を確認し、どれだけ起業に費やせるか把握しておくことが重要です。
また、個人用の支出計画も考慮する必要があります。
 
事業が軌道に乗るまでの生活費の確保は大切であり、過度な自己資金投入はプライベートに悪影響を及ぼす可能性があります。
 
準備期間中には、事業のリスクを適切に評価することが必要です。
予期しない困難に直面した際も、自己資金を保護するためのバックアッププランを用意しておくべきです。
さらに、自己資金だけでビジネスをスタートする場合は、必要な資金が充分かどうかを綿密に計画する必要があるでしょう。

資金調達先を検討する

必要な資金が自己資金だけではまかなえない場合、外部からの資金調達が必要になります。
銀行融資、投資家からの資金調達、クラウドファンディング、そしてベンチャーキャピタルやエンジェル投資家のような選択肢があります。
 
各調達先の利点や欠点、条件、審査基準を十分に理解し、最適な方法を選択することが大切です。

仕事やお客さんを確保する

ビジネスを成功させるには、収益を安定させるための仕事や顧客を見つける必要があります。
提供する商品やサービスがどのようなニーズや問題を解決するか、どの価格設定や販売方法を採用するかなどを考慮することが必要です。
 
目標市場を明確にし、マーケティング戦略を策定して顧客を獲得するために努力しましょう。

人材を確保する

起業においては、適切な人材を獲得することが不可欠です。
チームメンバーを厳選する選考プロセスを通じて、ビジネスの目標や文化に適した人材を採用することが重要です。
 
また、採用した人材の役割分担や報酬、評価などを考慮し、教育や管理手法なども検討しておくべきです。

税金関連の知識を身に着けておく

起業を続ける上では、適切な税金の申告と支払いを怠らず、法人税や消費税、所得税などの基本的な税金に対する理解が肝要です。
 
会計ソフトを使用して帳簿を作成できますが、正確な納税を行うには自己調査や税務署、税理士への相談も考慮に入れるべきです。

事業に必要な「人・物・金」とは?

企業におけるお金のイメージ

「ヒト・モノ・カネ」の概念を考えると、「ヒト」は人材を指し、「モノ」は事業用の設備や商品を意味し、「カネ」は資金を意味します。
 
この中で「ヒト」は、ビジネスパートナーだけでなく、一時的な仕事の委託も含まれます。

必要なメンバーや従業員について詳しく見極めてください。
「カネ」は、学生の起業において特に重要です。起業の障壁は高くありませんが、一時的な出費が発生する可能性もあるため、十分注意が必要です。
 
自己資金だけでは賄えない場合は、クラウドファンディングやベンチャーキャピタルを活用する方法も検討してください。「モノ」については、パソコンやスマートフォンを使って商品やサービスを作成できるでしょう。
 
在庫を抱えるビジネスはリスクが高まるため、少規模からスタートすることをおすすめします。

学生起業のポイント

ここでは学生起業のポイントについて解説していきます。

学生のの起業サークルに入る

学生起業のポイントの一つ目は学生の起業サークルに入ることです。
学生起業を成功させるためには、同じ志を持った仲間とのつながりが非常に重要です。
起業サークルに所属することで、アイデアの共有や情報交換、助言や支援を受けることができます。
 
また、起業に必要なスキルや知識を学ぶ機会も得られます。
さらに、起業家としての自己成長や自己表現の場としても活用できます。起業サークルは、学生起業を支援し、成長させるための貴重な場であり、積極的に参加することが重要です。

学内で発足される事業がある

学生起業のポイントの2つ目は学内で発足される事業があることです。
学内での事業発足は、学生が身近な環境でアイデアを形にしやすく、学内のネットワークやリソースを活用しやすいという利点があります。
 
学内での事業は、学生同士の連携や協力がしやすく、アイデアの共有や改善がスムーズに行えるため、スタートアップの成功につながりやすいと言えます。
さらに、学内での事業は学外のビジネスと比較してリスクが低い傾向があります。
 
学内での事業は、学生同士の信頼関係や情報共有がしやすいため、失敗してもフィードバックを受けやすく、次のステップに活かしやすいという点が挙げられるでしょう。

学校とは関係しない個人起業の場合

学生起業のポイントの3つ目は学校とは関係しない個人起業の場合です。
学生が起業する際には、学校のカリキュラムや授業内容に縛られず、自分のアイデアやビジョンを自由に追求することができます。
 
学校とは関係しない個人起業は、学生自身の創造性や独自性を最大限に活かすことができるため、
新しい価値を生み出す可能性が高まるでしょう。

学生起業のメリット

学生が起業を目指すイメージ
ここからは学生起業のメリットについて紹介していきます。

学生向けの起業支援を受けられる

大学は、学生の起業を積極的にサポートしています。
たとえば、学生向けの相談窓口を設けて経営や起業に関するアドバイスを行う取り組みを行っている大学もあります。
 
さらに、インキュベーション施設を提供し、安価なオフィススペースや専門家の支援を通して起業やビジネスの成長を支援している大学も存在します。
 
また、起業に関連する教育機関では学割を適用することができる場合もあります。
大学の施設や人脈を最大限に活用することができるメリットもあります。
図書館で書籍を借りてビジネス知識を獲得したり、大学の教授や卒業生に相談したりすることが可能です。
 
さらに、学生起業を成功させた人や、学生の起業を応援している経営者からのサポートを受けることも可能性として考えられます。

失敗した時のリスクが少ない

社会人として起業する場合は企業の失敗がそのまま履歴書などにも反映されますが、学生の場合は仮に起業で失敗をしたとしても新卒として起業へ就職することができます。
 
失敗を恐れずに挑戦する姿勢そのものが、将来的に就職する場合に企業から高く評価される可能性もあります。

学生起業のデメリット

ここでは学生起業のデメリットについて紹介していきます。

学業や学生生活との両立が難しい

学生は主に学業に専念すべきです。起業に取り組む際にも、学業を軽視することはできません。
進級や卒業に必要な単位を確保しつつ、起業の準備を進めていく必要があります。
 
ただし、起業時だけでなく、起業後も事業を続けるためには時間を確保しなければならないため、学業と両立するには、プライベートの時間をある程度犠牲にすることになるでしょう。
 
さらに、卒業後の進路にも注意を払う必要があります。
学生が起業することで卒業後の選択肢が広がるため、「就職活動を行うか、事業に専念するか」という時間の使い方を慎重に考える必要があります。

担当できる業務が少ない

学生起業家には、経験や知識の不足から失敗する事例が見受けられます。
専門家の支援を受けられる「商工会議所」などで相談し、計画を練るなどして起業準備を進めていきましょう。

社会人経験が少ない

学生が基本的に社会人経験がないため、実際の労働によって得られる知識や経験が不足することが少なくありません。
 
このため、事業計画を策定する際には見通しが不十分であったり、事業に関する具体的な説明が足りなかったりする未熟さが問題となることがあります。
 
さらに、事業を拡大するにあたって社会的信用を得ることは極めて重要ですが、社会人経験が不足しているため信用を得るのが難しい場合もあるでしょう。

学生起業のよくある失敗例

ビジネス失敗のイメージ
ここからは学生起業のよくある失敗例について紹介していきます。

イベントなどのコミュニティ運営

学生起業のよくある失敗例の1つ目はイベントなどのコミュニティ運営です。
学生起業家がイベントやコミュニティを立ち上げる際、集客や運営の難しさに直面することがあります。
適切なプロモーションや運営計画がないと、参加者が集まらず、予算や時間の無駄になるケースもあります。
 
また、コミュニティへの継続的な関与や価値提供が不十分だと、参加者やメンバーが離れてしまうこともあります。
成功させるためには、ターゲット層のニーズを理解し、適切なコンテンツやサービスを提供することが重要です。

友人とのアイデア重視の起業

学生起業では、友人とのアイデア重視の起業がよくある失敗例として挙げられます。
友人との関係が優先され、ビジネスの側面が軽視されることで、事業がうまくいかないことがあります。
 
友人同士での起業は、信頼関係やコミュニケーションを築きやすい一方で、ビジネスとしてのプロフェッショナリズムが欠けることが課題です。
 
アイデアだけではなく、ビジネスモデルや市場分析などをしっかりと考え、友人関係とビジネスのバランスを取ることが重要になるでしょう。

まとめ

近年、低コストで事業を立ち上げることができる分野が増加しており、学生にとっても起業しやすい状況が整いつつあります。
 
社会人の場合に比べて、多くの場合、リスクが低く、さらに学校によっては学生起業を支援する取り組みも増えているため、学生起業が今後ますます盛んになると予想されます。
 
ただし、学業との両立が困難であったり、学生であることから資金調達が難しいなどのデメリットも存在します。
まずは、自身の環境や興味のある業界をよく調査し、学生起業が現実的かどうかを検討した上で、学生起業を実施するかどうかを決定しましょう。