確立されたブランドや本部のサポートがある為、初心者でも比較的リスクを抑えて始められる。
フランチャイズで起業することは、既に確立されたビジネスモデルを活用できるため、比較的リスクを抑えて起業できる方法として人気があります。
特に、ブランド力や本部のサポートを受けられる点が大きなメリットです。
しかし、フランチャイズには決められたルールに従わなければならない制約もあり、自由度が低くなることがデメリットとなる場合もあります。
この記事では、フランチャイズ起業のメリットとデメリットを詳しく解説していきます。
目次
起業におけるフランチャイズとは
フランチャイズとは、チェーン本部と契約を結んだ加盟店が本部から経営ノウハウを学び、本部が開発した商品やサービスを使用して経営を行う仕組みです。
加盟店はその対価として「ロイヤリティ」を本部に支払います。
多くの場合、ロイヤリティは売上に対して一定の割合が設定されますが、一律の金額や店舗の席数に応じた形式をとる場合もあります。
日本におけるフランチャイズ経営は1963年にダスキンや不二家が参入したのが始まりで、現在では飲食業からサービス業まで、幅広い業種でフランチャイズが存在しています。
起業におけるフランチャイズのメリット
ここでは起業におけるフランチャイズのメリットについて紹介していきます。
ブランド力
お店を開業する際、まずは名前を知ってもらい、知名度を上げることが重要です。
現在ではSNSなどのツールを活用して短期間で情報を広めることが可能ですが、これらのツールがなかった時代には、知名度を上げるのに多くの時間と労力がかかりました。
しかし、フランチャイズを利用する場合、この問題はほとんどありません。なぜなら、フランチャイズでは、すでに広く知られたブランド 力を初めから利用できるからです。
見慣れた看板やロゴは、知らない場所でも安心感を与え、集客に大きく貢献します。開業直後から知名度があるというのは、フランチャイズならではの大きな強みです。
ノウハウがなくても始められる
飲食店で起業しようとする場合、まずは料理を習得する必要があります。しかし、それだけでは不十分で、メニューの開発、経営ノウハウの習得、従業員の採用や教育など、多くの課題に直面します。
これらを一人で乗り越えるのは大変ですが、フランチャイズに加盟することで解決可能です。
フランチャイズでは、商品開発から経営ノウハウまで、すべてをチェーン本部がサポートしてくれるため、起業初心者でも安心して事業を始めることができます。
さらに、研修制度も充実しており、行き詰まった際にはアドバイスも受けられます。
宣伝にお金をかけなくて済む
フランチャイズの大きな利点の一つは、チェーン本部の宣伝効果が加盟店に直接影響する点です。
個人経営では、テレビCMや駅などに大規模なポスターを掲示するような宣伝活動は莫大な費用がかかり、ほとんどの店舗で実現は困難です。
しかし、フランチャイズでは本部が大規模な広告キャンペーンを行うため、加盟店は自ら積極的な宣伝をしなくても集客が期待できるでしょう。
このような広範な宣伝効果は、ブランド力を高め、顧客からの信頼を得るのに大きく貢献します。
そのため、加盟店は本部の知名度や広告力を活用することで、経営リスクを抑えながら安定した集客を実現できるのです。
起業におけるフランチャイズのデメリット
ここからは起業におけるフランチャイズのデメリットについて解説していきます。
売上が予測を大幅に下回るケースもある
加盟店の中には、チェーン本部が提示した売上予測に大きく届かないケースもあります。
たとえチェーン本部が同じ規模の店舗のデータを基に算出した売上予測であっても、店舗の立地や顧客層が異なれば、結果も異なるのは当然です。
売上が本部の予測通りにいかない場合、それに頼り切るのではなく、自ら商圏分析を行うことが重要です。
また、専門家に相談して地域の特性や競合状況を確認することも有効な対策となります。
フランチャイズ展開を成功させるためには、本部の情報を参考にしつつ、独自のリサーチや対策を講じることが必要です。
ロイヤリティが高い
フランチャイズのロイヤリティは、チェーン本部によって算定方法が異なります。
売上の何%という形で設定されることが多いですが、それが売上高に対するものなのか、売上純利益に対するものなのかを事前に正確に理解しておく必要があります。
もし誤った認識を持っていると、経営が始まってから想定以上のロイヤリティを支払うことになり、純利益がほとんど出ないといったリスクがあります。
そのため、契約を結ぶ際には、ロイヤリティの算定基準や詳細について、チェーン本部の担当者にしっかりと説明を求めましょう。
近くに同じチェーン店が出店
フランチャイズ契約を結ぶ際、商圏保護が約束されていない場合は注意が必要です。
商圏保護がないと、近隣に同じチェーン店が出店する可能性があり、結果としてお客を取り合う状況が生じてしまいます。
特に、同一地域内で複数店舗が競合すると、収益が分散され、加盟店の売上に悪影響を及ぼすリスクが高まります。
そのため、契約時には一定の商圏保護が設けられているかを必ず確認することが大切です。
商圏保護がある場合、指定されたエリア内では新規の同一チェーン店の出店が制限され、加盟店が安定して集客できる環境が保たれます。
商圏保護の有無を見極め、安心して事業を展開できるようにしましょう。
中途解約ができない
経営が予想以上にうまくいかない場合でも、フランチャイズ契約をすぐに解除できるとは限りません。
多くの場合、中途解約には違約金が発生することがあり、この金額が大きくなることもあります。
そのため、契約の段階で解約条件や違約金の有無について十分に確認しておくことが重要です。
事前に契約内容をしっかり把握することで、予期せぬトラブルや不必要なコストを避けることができます。
また、フランチャイズ契約は長期間にわたる場合が多いので、契約前には専門家のアドバイスを受けることも有効です。
起業におけるフランチャイズ業種の選び方
ここでは起業におけるフランチャイズ業種の選び方について解説していきます。
競合が激しくない、差別化しやすい
産業が成長していても、ライバルが多い分野では新規参入が難しい場合があります。
特にフランチャイズでは、既に同じ仕事をしている他の加盟店が競争相手となるため、差別化が重要です。成功の鍵は、他者と競合しにくいビジネスを選ぶことです。
フランチャイズの運営会社によっては、地域ごとに担当領域を設定し、競合が起きにくい仕組みを整えている場合もあります。
また、扱える商材やサービスの選択肢が多いビジネスや、利益率が高く、顧客を長期で担当できる業種は、競争が激しくなりにくい特徴があるでしょう。
これらの点を考慮し、競争の少ないビジネスモデルを選ぶことで、長期的に安定した経営を実現できる可能性が高まります。
自分のスキルや経験、人脈を活かせる
起業を考える際、魅力的な業種を選ぶことは重要ですが、それ以上に自分に合った業種を選ぶことが成功への鍵です。
これまでの社会人経験やスキルを活かせる業種を選ぶことで、スムーズにスタートできるでしょう。
例えば、会社員時代の経験を生かして起業するのが理想ですが、業種によっては個人での開業が難しい場合もあります。
その際、業種ではなく職種に焦点を当てると、道が見えてくることがあります。経理経験があれば、経理に役立つシステムの販売やコンサルティングなどが考えられます。
また、前職の取引先や顧客を活かしたビジネスモデルも有効です。
さらに、社会人時代に築いた人脈は大きな武器となり、創業期において新規顧客の獲得を助けるため、人脈を活用できる業種を選ぶことも一つの戦略です。
自分がやりたいかどうか
起業や転職の際に、論理的に最適な業種を追求しすぎて「好きなこと」や「やりたいこと」を見失ってしまう人も少なくありません。
数字的には成功が見込める仕事でも、興味を持てない業種ではモチベーションが続かず、長期的に見て成功しない可能性があります。
一方で、好きな仕事であれば、たとえスキルが不足していても、興味を持って学び続けることでスキルを補うことが可能です。
結局のところ、仕事選びにおいては、自分が好きになれる業種を選ぶことが最も重要です。
まとめ
フランチャイズでの起業は、確立されたブランドや本部のサポートを受けられるため、初心者でも比較的リスクを抑えて始められる点が大きなメリットです。
しかし、その一方で本部のルールに従う必要があり、経営の自由度が制限されるというデメリットも存在します。
成功するためには、事前にメリットとデメリットを十分に理解し、自分に合ったフランチャイズを選ぶことが重要です。
安定した経営を目指すために、しっかりと調査し準備を進めましょう。